前回(富士通の「FMV ESPRIMO FH550/3AM」で2D→3Dのリアルタイム変換を満喫した)は、2D映像をリアルタイムで3Dに変換する機能を試してみたが、本機はデジカメで撮影した静止画やゲーム/地図ソフトウェアの立体化にも対応する。前者は画像ファイルの右クリックメニューで「TriDef 3D Media Playerで再生」を選ぶと「TriDef 3D Media Player」が起動し、立体 ffxi rmt
視画像をすぐに楽しめる。3D専用カメラなどを使わずに手持ちの画像ファイルを3D化できるのはうれしい。
【拡大画像や他の画像】 【表:ベンチマークテストの結果】
後者は「3D Game Driver for Fujitsu」を使う。起動すると「TriDef 3D Ignition」画面が表示されるので、ここに実行ファイルをドラッグ&ドロップするだけで準備は完了だ。試しに
Bing Maps 3DやGoogle Earthなどを登録して、東京駅周辺をうろついてみたが思った以上に臨場感があり、3D化の恩恵に浸れる。TriDef 3DはDirectX 9.0cに対応しているが、負荷の高いゲームタイトルではコマ落ちが発生し、すべてのアプリケーションを3D化できるわけではない。それでも、手軽に既存コンテンツを3D立体視できるのは便利だ。
●2基のWebカメラ
を内蔵することで手軽に3D映像/静止画を作成可能
本機ならではの特徴として挙げられる機能は、追加機器なしで3D映像/静止画を作成できる点だ。液晶ディスプレイ上部に2つのWebカメラ(有効130万画素)、つまりステレオWebカメラを標準で内蔵しており、異なる視点からの映像を合成することにより、本体だけで3D再生できる映像と静止画の撮影が
可能になっている。
ユニークなところでは、内蔵Webカメラを使った「ジェスチャーコントロール」機能が挙げられる。手をカメラにかざすと操作アイコンがオンスクリーンで表示され、手を動かすだけで再生や一時停止/停止、早送り/早戻し、音量調節、テレビチャンネルの変更といった操作が行える。ジェスチャーコントロール機能は、PowerDVD9 3D
PlayerやWinDVD、Windows Media Player 12、Windows Media Centerのみのサポートではあるが、リモコンを使わずにコントロールできるので意外と重宝する。
Webカメラの撮影で利用するアプリケーションは「3Dカメラビューアー」だ。動画か静止画かを選択し、液晶ディスプレイの前に被写体を置くだけで簡単に撮影は行える。3Dメガネをかけていれば3D効
果を確認しながら撮影でき、フレームやエフェクトを追加することも可能だ。
このカメラ機能は、液晶ディスプレイの前で撮影することが前提なので用途は限られるが、子供などは自分を見ながら撮影すると喜ぶだろうし、ペットを抱き抱えたり、フィギュアやプラモデルなどのコレクションを撮影したりと、さまざまな楽しみ方ができそうだ。欲をいえば
、Webカメラを着脱式にして、必要があればUSBケーブルでカメラユニットを自由に取り回せるともっと楽しめたように思う。
本機で撮影した動画/静止画の再生も3Dカメラビューアーで行う。撮影した動画、静止画はサムネイル付きで一覧表示され、クリックするだけで再生できる。また撮影した動画や静止画をすぐにメール添付して送信する機能も備え
(容量は最大20Mバイトまで)、本機のユーザー同士なら3D映像を楽しむことも可能だ。今後、同社から3D立体視対応のPCが追加投入されれば、3D映像のやりとりが普及するだろう。
本機の場合、3D映像は無圧縮で保存されるため、ファイルサイズがかなり大きい。そこで解像度を変更せずにWindows Media Video形式にエンコードしてWindows Media Playerで
再生してみたところ、3Dメガネを通して問題なく3D映像として再生できた。正確には表示が縦に1ラインずれると左の目/右の目用の表示が逆になり3D効果がおかしくなるし拡大/縮小もできないが、ファイルサイズをそれこそ100分の1にすることもできる。あまり圧縮率を上げると1ラインごと、つまり左右の目それぞれ用の映像の独立性が保てなくなると思うが、実
際に100分の1程度まで圧縮しても視聴に問題はなかった。
あくまで現状ということになるが、本機で撮影した3D動画は、試験的ながら開始されたYouTubeの3D再生対応動画としてはアップロードできない点が残念だ。YouTubeはサイドバイサイド方式(左右の目用の映像を左右半分ずつに1つの映像として記録する方式)のみのアップロードをサポートしてお
り、本機で撮影した映像は配信できない。YouTubeでは、再生時に複数の3D立体視の再生方式をサポートしているので、アップロードが可能になれば一気に使い道が広がるともいえる。本機の方式は縦解像度が半分、サイドバイサイド方式では横解像度が半分になるという点で相互変換はロスも大きいとは思うが、PCでの3D映像の楽しみの幅を拡げるという点ではぜひ対
応を望みたい部分だ。
●AV志向のプライベートユースPCとして充分なパフォーマンスを発揮
最後に、PCとしてのパフォーマンスをチェックしよう。
本機のOSは32ビット版Windows 7 Home Premiumがプレインストールされており、購入後にリカバリすることで64ビット版への切り替えも可能だ。今回は32ビット版のままで、PC USERでは
定番のベンチマークソフトウェアを実行している。
まず、Windowsエクスペリエンスインデックスは4.6となったが、これはCPU統合グラフィックスが足を引っ張っている。プロセッサは6.2、ハードディスクは5.9と高く、Windows 7の動作に関してストレスなどはまったくない。PCMark05やPCMark Vantageの総合スコアも5000台とまずまずで、体感速度への影響
も大きいHDDのスコアにも不満はない。
3Dグラフィックス性能に関しては、3DMark06とFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3ともに秀でているとはいえないが、処理が重い3Dゲームを楽しもうと思わない限り、特に困ることはない水準だ。元々、AV志向の強い製品であり、あえて注力していないだけともいえるだろう。
CPUのCore iシリーズは7/5
/3のグレードが存在し、本機は末弟となるCore i3のため性能が気になる人も多いかもしれないが、Webブラウズやメールの送受信、デジタルテレビとしての利用ではまったく余裕の処理能力を備える。動画再生に関しても、フルHDでMPEG-4/AVCコーデックのファイルをWindows Media Player 12で再生してもCPU使用率は5?15%程度、YouTubeのフルHD動画で10?25%程度
、付属の3Dサンプルファイル(1600×900ドット)の再生で30?40%程度なので余裕がある。もちろん、CPU統合グラフィックスの再生支援機能などが有効に機能しているからでもあるが、少なくともAV PCとしての利用範囲内であればまったく不満はないパフォーマンスを持っている。
●ハードルが高い3D映像を手軽に楽しめる魅力の液晶一体型PC
3D
の大作が映画館で次々公開され、対応する薄型テレビやBDレコーダーが続々登場するなど普及の兆しをみせる3D映像だが、それを楽しむためのハードルは意外と高い。AV機器では最低限でも3D立体視対応テレビが必要で、Blu-ray 3Dを楽しむには対応するBDレコーダー/プレーヤーも必要になる。自由度の高いPCでは、AV機器よりも手軽に用意できるのではと思ってい
る人が多いかもしれないが、垂直同期周波数120Hz対応ディスプレイとプレーヤーソフトウェアが必要で、3Dの再生方式によってはグラフィックスカード(GPU)も選ぶ。コスト的にはAV機器ほどではないが、やはり導入は容易ではないし、ノートPCや液晶一体型PCの場合には実質買い換え/買い増しが必要になる。
こういった点を考慮すると、やはり本機
の3D機能は魅力が大きい。購入状態でBlu-ray 3Dの再生が可能な上、従来の静止画や2D動画を3Dにリアルタイム変換して再生する機能と、3D動画/静止画を作る楽しみも加わる。AV機器では、今のところ3D対応テレビは40型以上が主流なので直接の比較にはならないが、テレビとレコーダー一式で最低でも50万円程度の導入コストが必要な3D再生環境が、本機ならば実
売16万円程度で手に入る。テレビ機能も2番組同時録画が可能な地上デジタルチューナーとBD/DVDへのダビング機能も備えるのだから、コストパフォーマンスという点ではかなり優秀といえる。
Blu-ray 3Dや放送波など3D対応コンテンツの普及はまだこれからだが、3D立体視に興味があるのなら本機は買い替え/買い増し候補に入れるべき製品の1つであるこ
とは間違いない。【坪山博貴(撮影:矢野渉),ITmedia】
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